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散歩と命

 教室活動の中で私は散歩が特に好きです。

散歩のメリットはたくさんあります。

1.子どもたちの車移動が当たりの時代になり、道路の歩き方、横断歩道の渡り方の交通ルールの勉強になります。

2.道端で見つける草花に「かわいい!」と声をかけ、「今日は暖かいね」と季節を体感できます。

3.大きい子が小さい子の手と繋ぐと、そこには思いやりがみえます。

4.歌を歌いながら歩くと、すぐに歌詞が覚えられます。

5.通りがかりの方が「ハロー」と声をかけて下さり、「ハロー」と子どもたちが返すご挨拶。ご近所づきあいもスムーズになります。

こんなに素敵なお金のかからない教材はありません。(笑)

 だから教室活動の時間が許す限り、散歩を取り入れ、スクールホリデーの朝の日課になっています。

でも先日、日本で散歩中の保育園児が交通事故にあうという悲しい出来事がありました。聞いただけでも胸が張り裂けそうな出来事です。

こういう時、私は「安全か、散歩か」を目の前の天秤にかけられます。

これが、大きな組織の中の場合、安全管理会議を開き、安全点検をみんなで協力し合うことができます。

でも私はひとりです。

個人教室なので自分で判断しなければいけません。

今回も、この悲しいニュースを聞いて何度も問いました。

「散歩中の安全が100%だといえるだろうか?」

「万が一の場合、全責任を自分が一生かけて償ことがどういうことかわかっているだろうか?」

「散歩をやめれば解決する問題なのか」

「散歩のすばらしさを子どもたちに伝えることはできないのだろうか?」

こういう時、世間からは「散歩を続けた方がいいよ」という声より、「散歩はやめた方がいいよ」という声の方が多く入ってくるものです。

でも。。。。あるお母様からのメールを思い出しました。

4月のスクールホリデー教室にきてくれた3歳のKちゃんは日本に帰国しました。その新生活をおくっている様子と一緒にこの一文があったのです。

今日、日本の横断歩道を渡っている時、「えりこ先生がココ(真ん中)を歩くっていったのよ」って言っていて、前回のお買い物体験の時の話を覚えていたことに驚きました。(原文引用)

 夏の暑い日、みんなでおやつを買いにスーパーマーケットまで行ったことがありました。大人の足だと10分くらいの距離ですが、幼稚園児の子どもたちにとっては大冒険。大きな横断歩道もどきどきしながら歩きました。汗びっしょりになりました。

でも、その時感じた事、見た事、楽しかった事をKちゃんはちゃんと覚えていたのです。

おかげで、あの時食べたおやつはとても美味しくて、みんなでにこにこしながら食べたっけ。Kちゃんも「美味しい~!」って笑顔満々でした。

その光景を思い出した時、私は散歩を続けることにしました。

個人教室をしていると、自問自答して追いつめられることがあります。

自分だけが頼りであり、重圧もあります。

だからこそ本物のこたえを出したい。

そんな時いつも私にアドバイスをくれ、背中を押してくれるのは、子どもの言葉です。分厚い 資料・参考書・データでもなく、世間の声・風潮でもなく、

子どもの言葉です。

 もし、今回の出来事で散歩について悩んでいる先生や大人の方がいましたら、

散歩での子どもたちの言葉、出来事を思い出してみてほしいのです。

散歩で失われた命に手を合わせ、安全管理をしっかり見直した上でです。

それが散歩で命を育むということなのではないでしょうか?


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